(協力:科学新聞社)

2024.01.19 触媒など材料開発加速 事前知識必要とせず高精度予測するAI

 AIを使った予測の精度は、学習データの量に依存するというのが一般的な理解だが、北陸先端科学技術大学院大学物質化学フロンティア研究領域の谷池俊明教授らは、北海道大学大学院理学研究院の髙橋啓介教授らと共同で、機械学習を用いた材料の機能予測において、事前知識を必要とすることなく高精度な予測を実現する、特徴量設計技術を開発した。 触媒などの実用材料に関する研究開発を加速させるため、AIなどの機械学習の活用が進んでいる。これには、訓練するためのデータと、材料を記述し機能を予測するための変数(記述子)が必要だ。特に未知材料の機能を高精度に予測するには、機能に影響する因子を効率的かつ網羅的に取り入れた、材料記述子の存在が必要不可欠である。
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(協力:JST Science Portal )

2024.01.18 海水から水素の製造可能に、貴金属を使わない合金電極を開発 筑波大など

  豊富な海水を電気分解して水素を工業的に製造できるようにする合金電極を、筑波大学などのグループが開発した。チタンなど化学反応を起こしやすい9つの卑金属元素で構成する。加速劣化試験で10年以上は使える耐久性を確認。イリジウムなど高価な貴金属を用いなくてすむため、海に面する砂漠地帯などで安価に水素が作れる可能性があるという。
  研究は名古屋大学や高知工科大学と共同で行い、2023年12月9日付けの国際学術誌ケミカルエンジニアリングジャーナルに掲載された。
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(協力:JST Science Portal )

◎2023.10.13 日本南方海域の水塊が台風発達に影響 温暖化で「強大化懸念」と東大など

 日本列島の南方海域の海中にある巨大な水塊の厚さの変化が台風の発達や衰弱に影響を与える、との解析結果を東京大学など5大学と1研究機関が参加する共同研究グループが発表した。この水塊は「亜熱帯モード水」と呼ばれ、深さ100~500メートルに広く分布。厚くなるほど台風の勢いを弱め、薄くなるほど強めるという。地球温暖化が進むと水塊は薄くなると予想されることから、台風の強大化が懸念される。
 共同研究グループは、東京大学大気海洋研究所の岡英太郎准教授や東北大学大学院理学研究科の杉本周作准教授、東京海洋大学学術研究院の小橋史明教授のほか、名古屋大学、九州大学、海洋研究開発機構の研究者らがメンバー。
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(協力:理化学研究所)

◎2023.09.22 放射光X線が地球核の化学組成を変える

 理化学研究所(理研)放射光科学研究センター 物質ダイナミクス研究グループのアルフレッド・バロン グループディレクター、東北大学大学院 理学研究科 地学専攻の生田 大穣 特任研究員(研究当時)、大谷 栄治 名誉教授らの研究チームは、カールスルーエ工科大学 量子材料科学研究所のロルフ・ハイト 副所長との国際共同研究で、新たな絶対圧力スケール(状態方程式)を決定し、それに基づいて、地球の核の化学組成に変更を迫る成果を発表しました。
 本研究成果は、太陽系外惑星の内部構造だけでなく、数百万気圧の高圧下における、物理学、化学、材料科学に関連するあらゆる物質の振る舞いに再評価を迫る重要な結果です。
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